探しものはなんですか

平成29年7月24日 茨城県内某所

女は探しものをしていた。

気温30度を悠々に超える平日の昼間に、

孤独と罪悪感に苛まれながらの探しものである。

女は額から垂れる汗をものともせず、家中のありとあらゆる場所を探して回った。

ある時は自分の部屋の本棚、ある時はリビングのテレビ台の上。

無いだろうな、と思いつつも台所まで探しに向かう執念深さである。

その執念深さを例えるならば、さながら10年前に振られた男の電話番号を今でも記憶している程であった。

怖い。ストーカーの域である。

しかし、女の探しものは一向に見つからなかった。

女は一つ不安なことがあった。

過去の自分が間違えて捨ててしまったのではないか。

女の不安は大きくなるばかりであった。

女は必死にその可能性を否定しようとするが、その可能性を自身の中に見出した途端、

もはやその可能性しか信じられなくなった。

なんせ、女は生粋のおっちょこちょいだからである。

しかし、次の瞬間

「そんなことあってたまるか」

女はこうひとりごちた。

そう、女は諦めなかったのである。

世の中には、諦めなければ夢は叶うという言説がある。

そして、信じるものは救われるというものも。

女は断固として探し続けた。

それは、かつての受験シーズンの自分を彷彿とさせた。

信じられるものは自分だけ、一心不乱に目の前の志望校に向けて闘い続けたのである。

そうこうしているうちに、最後の砦へと足を進めた。

この場所になければ、もう探しようがないという場所である。

それは、受験でいえば2次試験の最終科目に似ている。

今まで上手くいかなくとも、ここで挽回できれば一発逆転できるかもしれないのだ。

女は、最後の望みをかけてその場所を開けた。

 

 

簡潔に言う。

そこには何もなかった。

 

 

女はここでようやく思い出した。

そういえば、受験期の最終科目も挽回できるほどの出来ではなかったな、と。

人生において、そうそう下克上劇など起こらないのである。

女は自嘲じみた笑みを浮かべると、

そのままクーラーがついた快適な部屋で不貞寝を開始した。

 

人生の探しものは未だ見つからない。

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いやあのね、どこ探してもないんだよね。

高校生の頃に買ったエクササイズDVDが。

最近いくら就活太りとはいえ、ちょいとやべーなと思い始めた(正しくは指摘された)ので、

暇もできたことだし、久しぶりにエクササイズしちゃう!?!?てな感じで意気込んだはいいものの。

 

肝心のDVDがありませんやん

 

完全にDVDを宛にしていた私は、絶賛この情熱をどうしてくれようという状況に陥っています。

この情熱の逃がし方を求めた行き先が、冒頭のなんじゃこりゃ小説もどきになるわけです。(そんなこと言われても…ですよねわかります)

 

仕方がない。人任せにしていたバチがあたったと思って、自分なりに考えながら励むことにします。

 

とりあえず、アイスを食べながら。

 

なんだか最近うさんくさい就活ブログ化していたので、ようやく本来の自分を取り戻せた気がします。

 

失くしたものと引き換えに、本来の自分を手に入れたんですね。人生ってよくできてるなあ。

 

 

やかましいわ。

 

 

それでは。